投稿日:2017年12月25日

ヨッピーさん、社領エミさん、近藤雄生さんが語る“ライターの生き残り術”――神戸 #ライター交流会vol.01

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ライター同士の交流や情報交換を目的に、2015年9月から東京・五反田で開催してきた「#ライター交流会」。今年4月から全国各地での開催をスタートし、福岡、和歌山、秋田、長野に続き、8月5日(土)には神戸に豪華ゲストを招き、交流イベントを開きました。


会場は三宮駅から海岸側へ徒歩十数分、古い倉庫ビルをリノベーションしたデザイン・クリエイティブセンター神戸「KIITO」です。参加者の定員60人が早々に埋まる盛況で、関西出身・在住のライター3名と有限会社ノオトの代表(和歌山県出身)がトークを展開しました。

【登壇者プロフィール】※敬称略

■近藤雄生(こんどう・ゆうき)
ライター、理系ライター集団「チーム・パスカル」メンバー。1976年東京生まれ。5年半にわたって世界各地で旅・定住を繰り返しながら、ルポルタージュなどを雑誌に寄稿。著書に『遊牧夫婦』シリーズ(ミシマ社、全3巻。1巻目は角川文庫に)、『旅に出よう』(岩波ジュニア新書)。現在、『新潮45』にて「吃音と生きる」連載中の他、雑誌、ウェブで複数連載。京都市在住。
サイト:https://www.yukikondo.jp/
Twitter:@ykoncanberra


■ヨッピー
1980年生まれ、大阪府出身。WEBライターとして「オモコロ」「Yahoo!Japan」「トゥギャッチ!」「ぐるなび」「ライブドアニュース」「ねとらぼ」「オモトピア」など多数の媒体で活躍中。体を張った実験記事の数々で常にインターネットを沸かせている稀有な存在。
Twitter:@yoppymodel


■社領エミ(しゃりょう・えみ)
1990年生まれ、兵庫県生まれ。Webを中心におもしろい記事を書こうと日々奮闘しているライター。女性が脱ぐとなぜおもしろくならないのかいつも悩んでいる。
Twitter:@emicha4649


■宮脇淳(みやわき・あつし)
1973年3月生まれ、和歌山市出身。雑誌編集者を経て、25歳でライター&編集者として独立。5年半のフリーランス活動後、コンテンツメーカー・有限会社ノオトを設立した。「品川経済新聞」編集長、コワーキングスペース「CONTENTZ」管理人、コワーキングスナック「CONTENTZ分室」オーナー。
Twitter:@miyawaki
 

宮脇:司会を務める有限会社ノオトの宮脇と申します。よろしくお願いします。このイベントはライターさん同士の交流が目的なので、参加いただいた方々が仲良くなって、また次もどこかで会おうよ、SNSで情報交換しようよ、みたいな流れを作れたらいいなと思って開いています。それでは、登壇者の皆さま、自己紹介をお願いします。

近藤:はじめまして、ライターの近藤と申します。「チーム・パスカル」という理系ライター集団で活動したり、個人ではノンフィクションを執筆したりしています。

大学院卒業後にライターをやろうと思ったんですが、日本では書いて食べていける気がしなくて、5年半くらい海外をぶらぶらと旅していました。海外放浪中も日本とやりとりしつつ、だんだんライターとして食えるようになって。旅のことを書いた『遊牧夫婦』という本を出したり、雑誌の連載を持ったりしています。

ヨッピー:ヨッピーと申します。ライターをしています。元々サラリーマンをしていたんですけど、30歳くらいで会社を辞めまして。ずっと書いていたブログのつながりでちょろちょろ仕事が来て、気付いたら転職活動をせず、今に至りました。

最近は「SPOT(スポット)」というメディアを一生懸命運営しています。キュレーションメディアが雑なコピペ記事で検索に上がって邪魔なので、ちゃんとした取材記事を書こうよ、というスタンスで始めました。こちらはライターを常に募集しておりますので、ぜひ皆さんも応募していただければと思います。今日はよろしくお願いします。

社領:社領です。Webを中心にライターをしていまして、動画を作ったり絵を描いたりして、アホな記事やPR記事を書いています。ここ数年、ヨッピーさんの記事を2~3倍くらい薄めた内容の記事を量産しています。

●稼げるお金の多さだけでなく、いかに読者に支持されるか

宮脇:では、さっそくトークに入っていきましょう。Q&A形式で進めたいと思って、私が勝手にQを考えてきました。最初の質問はこちら。

宮脇:「ヨッピーさん儲かっていますか?」。

(会場笑い)

ヨッピー:……儲かってますよ、たぶん。まあ入ってくるお金は多いかもしれないです。ただ、声を大にして言いたいのは、僕が書く記事は基本的に時間もお金もかかるので、その分使ってるお金も多いというだけの話です。自腹切る事も多いですし……。

宮脇:うち(ノオト)からもヨッピーさんに仕事をお願いしているんですけど、単価感でいうと一番お支払させていただいているライターさんです。ただ、ヨッピーさんの言う「儲かっている」の意味はお金だけじゃないかなと思っていて。もちろんお金もあるんですけど、いかに読者に支持をされるかを大事にしてるんじゃないかと思うんですよね。

ヨッピー:あ~。

宮脇:それは社領さんも目指しているところじゃないですか?

社領:そうですね。そういうポジションを、いつかは目指したいなと。ヨッピーさんって、今Twitterのフォロワー何人くらいですか?

ヨッピー:今、9万人(※8月5日イベント開催時)くらい。でも、僕よりフォロワーが多い人、全然いますよ。それに僕、あんまりTwitterで「頑張ってフォロワー増やす」とかやってないです。

社領:Twitterでの活動を頑張るというよりは、普通に記事の制作をきちんとやっているだけ?

ヨッピー:そうですね。記事に関して言うと、「みんながやってほしいことを代わりにやってあげる」っていうのが良いんじゃないかなって思ってます。あんまり素行の良くない会社があって、それをブチのめすみたいな記事を書くと、Twitterのフォロワーがグワッと増えるんですよ。別にブチのめす必要もないんですけど、みんなが気になってる所に行くとか、みんなが知りたいものを調べるとか、みんなの期待に応えてさえいれば、ファンやSNSフォロワーは増えていくんじゃないですかね。

▼PCデポ 高額解除料問題 大炎上の経緯とその背景(Yahoo!ニュース)
https://news.yahoo.co.jp/byline/yoppy/20160823-00061403/

●注目されるライターは気合の入り方が違う

宮脇:さて、次の質問です。「今、ホットなライターって誰?」。近藤さんは今、注目しているライターさんって誰ですか?

近藤:自分がノンフィクションを書いているので、ノンフィクション作家で注目している方が何人かいます。ライターって言っていいのかわからないんですけど、同い年で石井光太さん、角幡唯介さん。

ヨッピー:僕は東大生ライターの高野りょーすけ君がイチオシですね。面白いなーと思ったのが、「日本の中心」を名乗っているところって日本中に12個くらいあるんですよ。距離で測るのか、人口で測るのか、面積で測るのか、それによって中心がいろいろあるんですけど、「その12個のちょうど真ん中が、本当の日本の中心じゃないか?」って彼が言い出したんです。

それで彼に「じゃあ、現地行って本当の日本の中心を見てくる、っていうのをやれば?」と言ったんですけど。後日提出された記事を見ると、その「本当の日本の中心」が槍ヶ岳っていう標高3,180mの山の中なんですよ。山の上に泊まったりして現地まで見に行ったのに、結局のところ霧で何も見えないっていう。まさかそんなことのためにわざわざ山まで登るって、その気合いの入り方で「すごいな、この人」って思いましたね。

日本を滅亡から救うため、登山初心者が槍ヶ岳に登ってきた


宮脇:こちらの予想以上の記事が上がってきたということですね。社領さんは、「今ホットなライターさん」と言えば、誰ですか?

社領:今日この場にも来てくれたんですけど、かのうしゃちょう さんという方がいて。『ゼルダの伝説』の料理をシェフにお願いして作ってもらうっていう記事を作ってもらいました。

▼プロの料理人が完全再現!「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」の料理を作った(ゆるじえさん)
http://yurudie.com/foodexpenses/kanou004

宮脇:おお、おもしろいですね。ちなみに僕は今、個人的に超ホットなライターさんがいて。

近藤:誰ですか?

宮脇:林雄司 さんなんですよ。

ヨッピー:え、今?

宮脇:皆さん、デイリーポータル Zの林さんって皆さんご存じですか? インターネットコンテンツ界の大御所で、昔大ヒットした「ペリーがパワポで提案書を持ってきたら」という記事が有名です。その後、おそらく編集側にまわってからはそんなに記事を量産していなかったと思うんですけど、最近めちゃくちゃ書いているんです。

社領:そうなんですか!

宮脇:今年の記事で、「プレミアムフライデーかどうかはおれが決める」っていう記事があったんですよ。ライターさん2人と酒を飲むっていうだけの企画なんですけど、そこに書いている節々の文章表現がすごく豊かなんです。

ヨッピー:“林節”ですよね。

宮脇:そうなんです。普通、あっさり書いちゃうようなところ……例えば、小さい自動販売機で酒を売っている空間を「ジャミロクワイのPVセットぐらいの広さ」と表現している。普通だとパッと思いつかないことをサラッと書くのが、もう、ね。

▼プレミアムフライデーかどうかはおれが決める(デイリーポータル Z)
http://portal.nifty.com/kiji/170801200300_1.htm

●Webにこだわるのは、紙ではファンが付きにくいから

宮脇:では、次の質問。「今、注目しているメディアは?」。Webでも紙でもいいんですけども、ここはすごく頑張っているなとか、ここで書いてみたいなと思うメディアってありますか?

ヨッピー:オモコロでやっている「文字そば」に注目しています。写真を一切使わず、文章だけで記事を書く企画で。写真が使えない以上、読み手も文章そのものにすごく注目するし、書き手も文章に注力する。すごく勉強になって、おもしろいです。僕は文章の力だけで面白くするのを「おもしろふりかけ」って呼んでいるんですけど、オモコロの人たちは何にもないところにちょっとしたおもしろふりかけを足すのが上手いんですよね。

宮脇:ライター=文章を書く人なんですけど、Webの原稿の場合、写真を上手く使って、文章と連動させていくのが今のスタンダードですもんね。社領さんは、写真をうまく使うのが得意ですよね。

社領:そうなんですよ、自分は普段、記事を「マンガ的な書き方をしている」と思っていて。テキストの力を磨きたいなっていうのはすごくあります。


宮脇:マンガ的な書き方! 興味深いです。近藤さんは、注目しているメディアはどこですか?

近藤:新潮社の『考える人』っていう雑誌が、クオリティが高くて好きでした。僕自身も連載させてもらっていたのですが、今年の春で休刊になってしまいました。紙の無力感を感じましたね。

宮脇:無力感、というと?

近藤:紙メディアは、文章を誌面に収めないといけないという物理的な制限があることで、文章も内容も研ぎ澄まされると感じています。そういった良さがいろいろとあって、僕はとても好きなのですが、その一方、どんなにクオリティが高い雑誌で、クオリティの高い記事を出していても、「どれだけの人がこれを読んでいるんだろう?」っていう思いが常にあります。自分が「この雑誌良いな」と思っていても、なかなか売れなくて、無くなってしまう現実がある。

宮脇:今、近藤さんが関わっている紙メディアで“元気の良いメディア”ってありますか?

近藤:うーん、僕がよく関わっているのが『新潮45』っていう月刊誌なんですけど、『新潮45』も部数としてはなかなか厳しいと聞いています。やっぱり、物として家に置きたいとか、持ってもらえるようにしないと厳しいのかなと。

宮脇:書籍は1冊丸ごと1つのテーマの完成物としてあると思うんですけど、雑誌ってもともと「雑」じゃないですか。雑なものが集まって、いろいろな連載や特集があるので、Webとかぶっている面もあると思うんですね。だから、これだけスマホのような端末が一人ひとりに行き渡ってしまえば、雑誌がなくなっていくのは自然な流れなのかもしれない。ヨッピーさん、紙はあんまりやっていないですよね。

ヨッピー:僕は、インターネットでしか書かないというスタンスでやってきました。今度、本を出します けどね。

宮脇:雑誌の連載オファーとかないの?

ヨッピー:ありますけど、基本的に全部断ってますね。インタビューなんかは受けますけど……。

社領:なんでですか?

ヨッピー:雑誌ってファンが増えないんですよ。インターネットの記事は、署名のところにTwitterアカウントのリンクとか貼ってくれるじゃないですか。「おもしろいな」と思ったらその人をフォローしておけばその人が書いた記事がずっと読めますけど、雑誌でおもしろいページがあったからって、その人の名前を検索してその人の寄稿している雑誌を全部買って、そのあともずっと読むかって言われると読まないじゃないですか。だから紙はファンになりづらいなって。僕はファンを形成するのが大事だと思っていたので、インターネットしか選択肢がないぞって思います。

●仕事を受注するために心掛けていること

宮脇:ヨッピーさんの話を聞いていると、紙とウェブにおけるライターのスタンスの違いが浮き彫りになるような気もしますね。その流れで次の質問を。「仕事を受注するために心掛けていることは?」。近藤さん、どうですか?

近藤:理系ライター集団「チーム・パスカル」については、「理系でライターをしているチーム」を謳うWebサイトを作っただけです。でも、「理系 ライター」で検索すると、僕らしか出てこないんです。企業のオウンドメディアから「ある科学者と対談したい」とか、大学から「研究者の研究をわかりやすく紹介してほしい」みたいな依頼があちこちからあって、理系ライターの需要はたくさんあるんだなと感じています。

宮脇:難しいことをわかりやすく解説するのって、めちゃくちゃ需要あるんですよね。ヨッピーさんは、仕事を受注するために心掛けていることって何かありますか?

ヨッピー:みんな心掛けた方が良いんじゃないかと思うのが、どのポジションを狙うか考えることです。僕、最初に狙いに行ったのが広告なんですよ。広告の記事を書けるライターっていうポジションが空いているぞ、広告はマーケットも大きいし、おいしいぞと思って狙っていったら、実際おいしかったと。その次、観光に行ったんですよ。すると、結構大きい企業からも仕事もらえるようなる。じゃあ、次は自治体を狙っていこうってことで、佐賀や広島から記事の案件をもらったりもしました。

マーケットの大きさとライバルの強さを考えると、必然的においしいポジションが見つかるんじゃないかと。自分の得意ジャンルと自分の好きなものを掛け合わせて、「ここのポジションに行こう」って決めて、活動していったら良いんじゃないかなって思います。

宮脇:なるほど。そういう意味では「理系ライター集団」ってすごいですよね。文系か理系かで分けると、いわゆる半分じゃないですか。理系といっても医療もあるし、宇宙的なこともあるのにそれをひっくるめて。


近藤:僕らは研究者じゃないし、理系の中でも専門ジャンル以外の依頼が来ることももちろんあるんですけど、抵抗がないんです。本当は恐らく、誰でも調べたらわかることでも、「理系」と言われると「無理」と反射的に思う人は多いんじゃないかと思います。物理学や数学など、数式がよく出てくるような分野は、ある程度やってきてないと難しいかもしれませんが、生物など、そうではない理系分野もたくさんあります。興味があって、「やろう!」と思えたら、そういった分野のライティングはおそらく出身分野に関係なくやっていけますと思います。僕らチーム・パスカルも、実は、半数以上は文系出身なんです。

宮脇:自分の中で仕事とは何かを決めちゃえば、「そこでやるしかない!」みたいなのもあるかもしれないですね。

●Q&Aタイム

宮脇:せっかくなので、参加者の皆さんからのグループ質問を受け付けてみたいと思います。順次いきますね。


Q:ノンフィクションを書きたいのですが、どういうふうにやっていけばいいかイメージができず、まだ何もしていません。取っ掛かりはどうすればいいですか?

近藤:僕自身の経験談を言いますと、沢木耕太郎さんが書く人物ノンフィクションに憧れて、書いていく道を模索し始めたものの、日本でライターとして仕事をしていくには経験もないし、食べていけるあても全くありませんでした。それで海外に行きました。日本を出たときはほぼ素人で、旅をしながら途中途中で記事書いては雑誌に送っていったのですが、それがそのうち仕事になって、連載ももらえたりするようになりました。旅の途中で2年ほど中国に住んでいましたが、物価が安く、当時は年収30万円くらいで生活できたのも大きかったかもしれません。

ヨッピー:まずはブログをやりましょう。僕、「ライターってどうやったらなれますか」って聞かれたら、「書いたものを見せてください」って言うんです。そうすると、高確率で「まだ何もやっていない」って返ってくるんです。プロ野球選手になりたいって言っている人が野球やったことなかったらおかしいのに。なんでも良いのでとにかく書くことですね。

Q:ヨッピーさんと社領さんは、おもしろ路線をやり始めた頃、スベったことはありますか? あと、自分の記事がおもしろいかどうか、世に出す前にどうやって判断されていますか?

社領:私はいまだにスベること、結構あるんですよね(笑)。スベることと隣り合わせみたいな感じで書いているんですけど、直感で最初おもしろいと思ったことはウケることが多いから、直感を信じて書く。あとは記事完成後に周囲の人に見せて「おもしろいよ!」と言ってもらい、勇気をもらって公開します。

ヨッピー:LINEの谷口さん っていう方がいて、その人の言葉で良いなと思ったんですけど。Webの記事でスベるってことは、誰にも読まれなかったってことで、逆に言うと、スベっているところは誰にも見られていないってことだから、スベることは心配しなくていいって。

宮脇:確かにスベった記事は、広まらないですからね。

Q:ブログを書いてお金を稼いでいます。SEOを意識してコツコツと記事を書いていくと、PVは伸びていくんですけど、正直おもしろくないというか。おもしろい記事を書くコツみたいなのを教えていただけますか?

ヨッピー:別に、常におもしろくある必要はないんじゃないんですかね。SEOを意識するということは、検索流入で入ってきた人たちに向けて記事を書くってことですから。そもそも、検索流入でサイトにアクセスしてきた人たちって、別に開いたコンテンツにオモシロを求めていないですよね。何かしらの課題を持って、その記事にアクセスしているわけだから、その課題が解決すれば良いわけじゃないですか。

僕は以前、大阪観光の記事を書いたことがあるんですけど、SEOで入ってきた人に対してはすごく不親切なんですよ。ストーリー仕立てになっているので。本来、検索かけて見に来た人って、大阪の観光スポットが羅列されている記事を見たい人なんですよね。だから、オモシロじゃなくても、入ってきた人に対して良い記事を提供しようっていう気持ちでやっていけばいいんじゃないですかね。それはすごく立派なことだと思いますけど。

本人がおもしろいことをやりたいんだったら別ですけどね。そしたら、本当にやりたいようにやっていくしかないですよね。


Q:売れるライターの共通点は何でしょうか?

ヨッピー:気合いが入っていること。

近藤:クライアントの意向をちゃんと読めること。あと、クライアントに言われたこと以上に「こうした方がいいんじゃないか」って提案できる力もすごく大事だと思います。

ヨッピー:プロとして「これは間違っていますよ、絶対にウケません」って言いきれないとダメですね。

Q:駆け出しの頃はどうやって仕事を取っていましたか?

ヨッピー:僕、人生で最初もらったライターとしてのギャラって、記事1本2,000円です。ちなみにこれ、経費込みですからね。だから、最初は自腹を切って書いていましたね。会社辞めて、ライターとしてやりだしたときも、最初1本5,000円とかでしたけど、「1本5,000円だから、時給換算して5時間で書ける記事を書こう」ってやっていたら、いつまで経っても5,000円なんですよ。だけど、これを10時間かけて5,000円の記事を作っていると、今度1万円の仕事が来る。で、1万円の記事だったら、20時間かけてやるっていうのを繰り返しているうちに段々上がっていく、みたいなところはあるんじゃないかなって思います。

近藤:僕は、旅中、全然縁のない出版社にも、その会社のウェブサイトにあるメールアドレス宛で、書いた原稿を送りました。そのとき、「そちらの雑誌の何ページ分をイメージして、これだけの字数と写真を入れました」みたいな感じで自分なりの“完成品を送る”ことを心がけました。そうすると、それなりに返事がもらえました。そうして存在を知ってもらって関係を築き、また送る、ということを繰り返すうちにある程度掲載してもらえるようになり、1年、2年と経つうちに、先方からの依頼で記事を書く流れができていきました。全部自腹でやっていたので、まさにヨッピーさんが仰ったように初めはマイナスになりながらもなんとか形にして、使ってもらわなきゃと思ってました。

ヨッピー:補足しておくと、別にブラックな体制で働けってことじゃないですよ。まともなところだったら、1万円の報酬に対して10万円の仕事が返ってきたら、次から10万円払おうって思ってくれるはずです。でも、それは後払いでしかないですよね。お金を払う側としては、どのくらいの仕事ができるかわからない人にお金は出せないので。

最初は割に合わないのはしょうがないとして、その状態を1年続けて、まだ割に合わないんだったら、向いていないのかもしれないし、何かが足りないのかもしれない。基本的にはちゃんとやっているとたぶん上がってくるので、そんな心配しなくていいんじゃないかなって思いますね。

Webの良いところって、全部見えているところなんですよ。誰かが良い仕事をしていると誰かが見つける。だから、すごくおもしろい企画を立ててバズったときに、その企画で1万円しかもらってなかったとしても、すぐ4万円とかのオファーが来る。書いている人にコンタクトも取りやすいし、数値化もされているんで、競争原理が働いているんですよね。そういう意味ではWebは公平かなって思います。


トークセッション終了後は、飲食を楽しみながらの交流タイムへ。今回のライター交流会では、「料理百貨店ラ・ココット」さんが用意した関西の文豪にちなんだ料理も大好評で、関西らしい笑いの絶えない場となりました。

紙媒体の衰退やフリーランスの限界などを考えたとき、ライターという職業に不安を感じる人はいるかもしれません。しかし、ライターはいろいろなことにチャレンジできる職業でもあります。幅広く興味を持ち、ノリと勢いの関西人魂を生かして飛び込むことで、新たな道が見えてくるのではないでしょうか。

(執筆:野阪拓海 撮影:宰井琢騰 編集:田島里奈/ノオト)

参加者の皆さんもレポートを書いてくださいました。

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