投稿日:2017年11月13日

繁忙期はカープ次第!? 広島 #ライター交流会 公式レポート

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広島市内のコワーキングスペース「Shake Hands」で10月12日(木)、広島#ライター交流会 vol.01が行われました。主催はコンテンツメーカーの有限会社ノオト、広島での開催は今回が初めてです。

イベントタイトルは、「カープ優勝の勢いで筆力アップを狙う会」。前月に広島東洋カープがセ・リーグ優勝を果たし、クライマックスシリーズを迎える直前の時期だったため、スライドの表紙もカープレッドに。乾杯をしたあと、さっそくトークセッションが始まりました。

【登壇者プロフィール】
■石川 淑直(いしかわ・よしなお)

広島のライフスタイルBOOK「FLAG!」編集長。出版社地球丸Rod&Reel編集部を経て帰広し、ザメディアジョンプレスへ。FLAG!のほか、広島カープ関連の書籍や雑誌、広島県が発行した観光ガイドブックなどの編集を手がける。主な制作物に『プロ野球チップスカード図鑑』『月刊カドカワ広島東洋カープ』『おしい!広島県究極のガイドブック』『カンパイ!広島県ガイドブック』などがある。
FLAG!Facebook : https://facebook.com/press.flag/

■前田 昌宏(まえだ・まさひろ)

東京で働いたことがないフリーランスのライター&編集者。1969年、兵庫県姫路市生まれ。畑違いの勤務先に内緒でコピーライターの副業に手を染める。発覚して諭旨解雇。長文の方が稼げるという理由でルポライターに転じる。以来、生まれつきの放浪癖が高じ、北へ南へ居所を点々と変えながら行政・企業のPR誌や地方の情報誌を中心に執筆・編集歴20年。2012年に「みん経」と出合い、ローカル(局地的)な情報を掘り起こして光を当てる面白さに目覚める。2016年9月、島根県・隠岐諸島の中ノ島(海士町)へ移住。この秋から隠岐経済新聞編集長。
Facebook:masa8an

■宮脇 淳(みやわき・あつし)

1973年3月生まれ、和歌山市出身。雑誌編集者を経て、25歳でライター&編集者として独立。5年半のフリーランス活動後、コンテンツメーカー・有限会社ノオトを設立した。「品川経済新聞」編集長、コワーキングスペース「CONTENTZ」管理人、コワーキングスナック「CONTENTZ分室」オーナー。フリーライター初仕事は忘れもしない18年前、広島のパルコ前でオシャレな男子をキャッチして写真を取らせてもらうファッション雑誌の取材ロケだった。
Twitter:@miyawaki

●広島在住ライターの繁忙期は、カープと連動している!?

広島では主にどんな編集・ライター仕事があるのだろうか? 地元広島のライフスタイル雑誌「FLAG!」編集長の石川淑直さんに聞いてみたところ、こんな回答が飛び出してきました。

「多いのはブライダルやグルメ、観光の仕事ですね。あとは、やはりカープ関連の仕事。東京の出版社から依頼が来ることもあります」

広島といえば、やはりプロ野球チームの広島東洋カープ! 地元ファンにとってカープはキラーコンテツだけに、ライター仕事にも密接な関わりがあるそうです。

「地元で繋がりがあるからこそ、球団側に取材がしやすいのはありますね。ザメディアジョンプレス社内で編集ライティングに携わるのは10人程度です。普段は『FLAG!』のほかにも、広島の観光情報誌やグルメ情報誌、市町関係の発刊物を制作しています。プロ野球開幕前はカープ関係の出版物が集中するので、かなり忙しくなりますね」

●企画力、個性……一緒に仕事をしたい編集者、ライターの特徴は?

石川さんが編集長を務める情報誌「FLAG!」では、どんなライターと一緒に仕事がしたいと考えているのでしょうか。

「僕は、編集者もライターもアイデアを出すことが一番の仕事だと思っています。編集者は本全体の企画を出すし、ライターさんはそれに合わせて個々の記事のネタや切り口の企画を出す。僕個人の好みとしては、その人の色が出る原稿を書けるライターさんが好きですね。カープにしてもグルメにしても、ほかにない色が出ている原稿はすごく魅力的です」

「FLAG!」の表紙。これまで「拝啓 広島東洋カープ様」「次はドコ? いつもと違う広島案内」などの特集が組まれている。


「地元のライターに伝えたいことは何か」と質問されたところ、石川さんは「今月なんらかの仕事があればいいという働き方ではなく、ずっと勝負できる自分の強みを育てていく気持ちを持ってほしいですね」と回答しました。

「いいライターさんはどこか『変態的』なんですよね。例えば、何かにめちゃくちゃ詳しいとか、ものすごく突き詰めて実践している分野があるとか。もし超合金のロボットに詳しいライターさんがいたら、編集サイドも『家電の記事を書かせても面白いんじゃないかな』『素材という観点から、自動車の記事を書くのはどう?』など、題材とライターさんの組み合わせをいろいろ考えられるでしょう。そのライターさんだからこそできる切り口があれば仕事も広がっていくし、ファンがついていくと思います」

地方の場合、編集者はライターとどこで出会うのでしょうか? 石川さんによると、知人からの紹介など‟地元つながり”でライターさんと出会い、原稿執筆をお願いすることが多いそうです。

「ライターさんから『FLAG!』の特集を提案いただくのはもちろん大歓迎です。雑誌は一人で作るのではなく、いろいろな人が関わるものですから。だからこそ面白いと思っています」

●地方ではライティングだけじゃ食っていけない?

もう一人のゲストは、島根県・隠岐諸島を拠点に活動するフリーランスのライター&編集者の前田昌宏さん。稼ぐ仕事とそうではない仕事をきちんと分け、さまざまな案件を手掛けているそうです。

「がっつり稼ぐライター仕事は、やはり東京の案件が多いです。地方で行政関係者と仕事をしていると、『写真やデザインもできますか?』と聞かれることもあり、ライティング以外の仕事も請けてきました。地方では、ライティングだけで食っていくのは大変です。できることは複数あった方がいいのかな、と思いますね」

そのほか、地方在住ライターが大切にすべきポイントとして前田さんが挙げたのは、「仲間」というキーワードでした。

「僕の周りには個人事業主が多いので、お互いの得意分野を活かしあうプロダクションのようなものが自然に生まれています。例えば、地域の旅のガイドブックの仕事などでは、その地域のライターさんと組んでやることもありますね。自分だけがたくさん稼ごうみたいな考えではなく、いかにして周りに再配分していくかを考える。そうすると、いい人が集まってきて、結果的にいい仕事ができるようになります」

●筆力アップのポイントは、「書くしかない」!

次の問いは、「筆力アップのためには何が必要?」。これに対する石川さんと前田さんの答えは……二人とも「とにかく原稿を書くこと」。意見がほぼ一致しました。

「たくさん原稿を書くしかないですよね(笑)。『FLAG!』でも、新卒で編集者として入社した子には、『ライターさんに記事を依頼するのではなく、まずはしっかり自分で原稿を書くように』と言っています」(石川さん)

「石川さんと同じく書くしかない、と思いますね。まずはブログでもいいので、とにかく書く。その際、『主観を排除した客観的な文章を書くこと』を意識するのが大切です」(前田さん)

客観的な文章とは、前田さんが編集長を務める「隠岐経済新聞」のニュース原稿がその典型です。主観を一切入れず、事実の積み重ねで記事を書けるようになって、初めて次のステップに進むのがよいのではないかと前田さんは主張します。

「個人的な感覚かもしれないのですが、編集者に原稿を見てもらって、文章を削られるとモチベーションが下がりませんか? だから、まずは客観的に正しい骨子の文章を書く。そうしたら、編集者がチェックしたときに削るのではなく『これも足したらどうか?』と提案される。だから、まずはきちんとした取材原稿、報道原稿を書けるようになってから、個性を乗せていく方がいいのかなと思います」

このテーマについては、一編集者のアドバイスとして司会の宮脇からも「バックナンバーを読むこと」の大切さが挙げられました。

「フリーランスになって初めての仕事は、読んだことのないメンズファッション誌の企画でした。それまで自分が関わってきたのとは全く違うタイプの媒体です。とにかく、まずはバックナンバーをめちゃくちゃ読み込みましたね。過去記事を読み込むことで、『この雑誌の記事はこう書くのか〜』と、メディアの基本ルールや表現を自分にインプットしました」

●地域メディアって、この先どうなるの?

地域に根ざしてメディア運営をする二人には、地域メディアの未来は一体どう見えているのでしょうか。石川さんと前田さんに、3年後、5年後、10年後を意識した未来予想をしてもらいました。

「今はSNSが浸透してで、多くの人が情報発信者になり、簡単に情報収集ができるようになっています。正直、情報を紙でまとめて買う必然性はないだろうな、と思います。このまま同じ意識で継続していくだけだと確実に悪くなっていくはず。だからこそ、プロとしてのアイデアをつくる力をもっと磨いていかないといけないと感じています」(石川さん)

前田さんが今後のメディアに感じる課題について指摘したのは、マネタイズと人材不足でした。ローカルにはローカルの面白さがあり、それを伝えていくのは大事な仕事。しかし、現在はとにかく情報発信者の人材不足が続いており、資金不足を解決できればうまくいくのですが……とウイークポイントを指摘しました。

「ライターは基本的に一人で書く仕事ですが、一人でメディアを運営するのはことさら難しいんです。だから、ライター仲間をはじめ、デザインや出版、サイト制作などのメディアづくりを一緒にできる仲間を作ってほしい。もし自分たちだけで一つのものが作れるようになったら、先々への不安が少なくなるかもしれませんから」(前田さん)

最後に司会の宮脇は、「今回ご縁があって広島で開いた #ライター交流会も含め、こういった集まりはライターや編集者、デザイナー、ディレクター、エンジニアなど、いろんな職種の方が来る場になりつつあります。今回のようなイベントをきっかけに人同士がつながり、仕事やアイデアが生まれる場になるといいですね」と会を締めくくった。

レポートや感想を書いてくださった参加者の方も。

駆け出しライター必読!広島のライター交流会に参加してきたよ(岡田一輝(かずのこ)さん)

ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

(執筆:鬼頭佳代/ノオト 編集:田島里奈/ノオト)

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