投稿日:2023年12月30日

【#推し記事2023】生成AIの論争から花札KYクソカードまで。ネット編集者が選んだ推し記事9本

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推し記事イベントのアイキャッチ画像

ネットが大好きな編集者たちが集まって、その年に公開されたネット記事から個人的に好きだった記事を1人3本ずつアツく語る「推し記事トークイベント」。2023年12月20日、高円寺の配信スタジオから生配信しました。あなたの推し記事も、紹介されたでしょうか? 当日の様子をレポートします。

目次

 

登壇者・プロフィール

■杉本吏(すぎもと・つかさ)
ニュースサイト「ねとらぼ」で深掘り取材やライターコラムなどを扱う「ねとらぼアンサー」の創刊編集長。個人の日記サイトを読むことが一番の趣味で、名も知らない家族の日記を20年間読み続けている。「推し記事トークイベント」には、初めて開催された2019年から登壇。1日約1000本の記事を読む。

■生田綾(いくた・あや)
編集プロダクションでファッション誌の編集業務に携わったのち、Webマーケティング会社でメディアの運用やSEO対策、編集を担当。2016年、ニュースメディア「ハフポスト日本版」に入社。ジェンダーや多様性などの社会課題について、当事者や、ビジネス・司法・エンタメ・カルチャーの視点で取材を経験する。2022年4月に「CINRA」編集長に就任した。X(旧Twitter):@ayikuta

■ダ・ヴィンチ・恐山(だ・ゔぃんち・おそれざん)
バーグハンバーグバーグ社員。「オモコロ」副編集長を務める。著書に『キリンに雷が落ちてどうする』(朝日新聞出版)、『ただしい人類滅亡計画』(コルク)、漫画『くーろんず』(スクウェア・エニックス)など多数。「動画に魂を売り渡した」と言われて久しいが、今回のイベントで「記事にご機嫌伺い出来てうれしい」と語る。X(旧Twitter):@d_v_osorezan

■黒木貴啓(くろき・たかひろ)
「ねとらぼ」で編集記者として4年半活動後、2019年に有限会社ノオト入社。今回のイベントMCを務める。X(旧Twitter):@abbey_road9696

登壇者と司会者の写真左から、恐山、生田、黒木、杉本(敬称略)

DPZ林雄司のギアがさらに一段上がった

黒木:ネット文章大好き編集者と振り返る「推し記事トークイベント」は、今年で5年目の開催となりました。このイベントでは、個人的に好きだったネット記事を1人3本ずつ紹介していきます。

では、初回から続くいつものあいさつで乾杯して、1本目から振り返っていきましょう。インターネット、ばんざ~い!

一同:ばんざ~い!

乾杯する登壇者と司会者

デイリーポータルZ「まったく同じものを食べ比べる」記事のTOP画像のスクリーンショット

デイリーポータルZより

杉本:私の1本目は、林雄司さんが書いた『まったく同じものを食べ比べる』(デイリーポータルZ)です。『違うものを食べ比べる』という前衛的な企画をこの記事の前に出していて、そのシリーズの2本目になります。

読者からは、「老後のふわーっとしてきたときに見る夢なんじゃないか」とコメントされていました。林さんのモードが、単に「読者に伝わってほしい」というところからはまた違う領域に上がった印象を受けました。

生田:企画会議が気になりますね。「同じものを食べる」って、どうやってOKに持ち込めるんだろう。このチームじゃないとできない企画だな。

杉本:ライターが持ち込むネタって、勝算が見込める企画とやってみないとわからない企画があるんですよ。デイリーポータルZは後者でも恐れず飛び込む。

2019年、オモコロ編集長の原宿さんが選んだ推し記事に江ノ島茂道さんが書いた『「九段下のゆで太郎は外で食べられる」は本当か?』(デイリーポータルZ)があるけど、「外では食べられませんでした」とレポートができないで終わるんです。これをボツにしないのは、編集長が林さんだからこそですよね。

恐山:林さんは「ここに何かある」という嗅覚が鋭いんだけど、全く鼻が反応しないところを掘り始めますよね。

杉本:自分から鼻をつまみにいっている説、ありますよね。本当はデイリーポータルZとかオモコロの記事は面白いものばかりだから選ばないつもりだったんですけど、これは外すことができませんでした。

たまたまですけど、今日(12月20日)はデイリーポータルZが独立するニュースが発表されました。デイリーポータルZってこれまでに運営が3社変わっているんですけど、林さんが社長となって独立するみたいです。いいタイミングで記事を取り上げられました。“インターネット”って、林雄司のことなんだと思います。

金原ひとみさんの記事のTOP画像のスクリーンショット

朝日新聞デジタルより

生田:私の1本目は、小説家の金原ひとみさんが書いた『母の仮面が苦しいあなたへ 「自分」は今もそこにいる』(朝日新聞デジタル)です。金原さんがワンオペ育児で産後うつになり苦しかった状況が綴られています。世間ではワンオペ育児の辛さとか男性の育児参加が話題だから、真新しい情報はないんです。

でも金原さんのすごい筆力で、同じようにつらい状況にいる人には共感を、経験がない人も「大変なんだ」という実感が得られました。この記事は有料なんですけど、「朝日新聞デジタル」は有料会員が24時間限定で知人やSNSのフォロワーに記事をシェアできる「プレゼント機能」がついているんです。それでかなり拡散されましたね。

恐山:個人の体験のしんどさをそのまま綴っているんですよね。SNSで書くときって苦痛をベースに意見をこしらえなきゃいけない側面があるんですよ。だからみんな新聞記者的な書き方になりがちです。

でも、金原さんの記事は私小説的でSNSでは見かけない文脈だったので、逆に拡散されたのかなと感じました。子どもを愛してる・愛してないとかそういう一方向ではなくて、子どもは好きだけどめちゃくちゃ子育てはしんどくて、夫に不満はあるけどやっぱり大好きで、そういうぐちゃぐちゃの感情をそのまま整理して出している。これって非常に難しいことなんですよね。普通は意見になってしまうので。

杉本:そう。意見じゃないんですよね。シャープな文章で、寄り添うわけじゃないけどやさしい。体験したことをそのまま書いているが故の普遍性があります。SNSでは記事を読んで自分の考えを書いている人がたくさんいましたね。

司会をつとめるノオトの黒木

黒木:朝日新聞デジタルのやり方も面白いです。いろんなWeb媒体が収益構造を模索する中、有料会員に推し記事を拡散してもらうって、いい循環の作り方だと感じました。

ほほえみごはんの記事のTOP画像のスクリーンショット

ほほえみごはんより

恐山:私の1本目は、ニチレイのオウンドメディアに掲載された『【特から®キャンペーン】『特から®史上最高難易度の謎』を作った天才と解いた天才、その思考を読み解く』(ほほえみごはん)です。

記事の背景に、ニチレイの冷凍から揚げ「特から®」の特設サイト『特から®の謎を解くから』があって、そこで日本でも有数の難しい謎が出題されたんです。謎解きマニアが束になっても解くのに2週間はかかる、異常な難易度の謎でした。それをたった1人で6時間かけて解明した「らまぬじゃん」が現れるんです。この人はなぜ謎を解けたのか。インタビューで解き明かしていきます。

黒木:謎解きキャンペーンは、以前から着目していたんですか?

恐山:知人が言及していたので知っていました。ここ数年、謎解きイベントに誘われることが多くなったので流行を追っているんですけど、謎解きの界隈には、異常に頭が良くて、すごい速さで暗号を解読する漫画の主人公みたいな人たちがいっぱいいるんです。そういう深淵がから揚げのキャンペーンで明らかになる。そのミスマッチも含めて楽しかったです。

杉本:最終的に制作者と「らまぬじゃん」がたどり着くテーマが「信頼」なんですよね。2人だけで通じ合っているものがあって、良かったです。

恐山:刀の鍔(つば)迫り合いをしながら会話するような緊張感がありましたよね。

生成AIと人間の今後の関係を垣間見れる記事

「亡き妻」のAIの件の記事のTOP画像のスクリーンショット

TechnoEdgeより

杉本:2本目は松尾公也さんが書いた『「亡き妻の写真」をAIで生成していることへのご意見について回答します(CloseBox)』(TechnoEdge)です。

著者の松尾さんは30年以上テクノロジー界隈で編集記者をしている、業界の長老みたいな著名人。10年前にご病気で奥様を亡くされたんですけど、奥様の写真や声のデータを使って生成AIなどで新たな写真や曲を作っている方です。

生成AIって大きなトピックだけど倫理観が問われるし、意見が分かれる問題じゃないですか。「奥さんの死を引きずってるんじゃないか」「ほかの親族の許可は得ているのか」のように批判的な意見も多く寄せられたようなんですよね。それに回答する記事です。

生田さんと恐山さん

生田:2019年のNHK紅白歌合戦で、美空ひばりさんをAIで復活させたじゃないですか。あれもいろんな意見が出ましたよね。

杉本:この辺の価値観って、数年で変わると思うんですよ。私は将棋関連の取材を長くしているんですけど、将棋とAIの関係って10年くらいでかなり進みました。今は「AIが強い」って当たり前の価値観ですけど、人間のプロ棋士がAIに初めて負けた時はお通夜みたいな騒ぎでしたから。

だからこそ、こういうやりとりをアーカイブとして記事に残すことは大切だと思うんです。松尾さんはテック系の最前線を歩き続けてきた人なので、批判的な意見に書かれていることはもう何万回と考えてきたはず。その上で、「受け入れがたい、という意見があるのは別にいい」「ただし自分はこうする」と確固たる信念で活動されている方。エモーショナルになりそうなことをロジカルに語られていて、刺さりましたね。

恐山:生成AIには個人的にも興味があって色々調べてますけど、倫理・権利的問題は今後「なあなあ」になって終わると思うんですよね。人の創作のやり方そのものが変わってしまう話なので、既存の倫理のシステムでは処理しきれないんです。

となると、倫理観をどう変えるかって話になるけど、その議論を倫理的に行うのは不可能じゃないですか。だから「歴史が証明する」じゃないけど、意見のぶつかり合いがありながら、なし崩し的に着地点が変わるものだと思いますね。

スティーブ・ジョブスの記事のTOP画像のスクリーンショット

取材ノート、ひろげますより

生田:私の2本目は、NHK記者の佐伯健太郎さんが書いた『「スティーブ・ジョブズ1.0」の真実(前編)』(取材ノート、ひろげます)です。スティーブ・ジョブズがMacintoshを発表した当時、日本の伝統的な新版画が画面に映っていたことをきっかけに、ジョブズと日本の伝統美術の関わりを解き明かしていく3部作です。

杉本:すさまじく良い記事ですよね。長い文章だけど巧みに書かれているし、ジョブズと日本文化を追う中で、記者自身の人生ともリンクしていくんです。著者の佐伯さんは8年かけて取材していくんですけど、今年で定年退職になるんです。時間がない中でどう取材していくか。佐伯さんの人生と記者魂が感じられました。

恐山:長期間にわたって取材を続けるってWebではできないことだから、恥じ入る気持ちというか、手が届かないところなのでいいなぁと思いますね。

杉本さん

杉本:2019年の推し記事で、登壇者全員が選んだ『格ゲー業界騒然!パキスタン人が異様に強い理由、現地で確かめてみた』(withnews)があるんですけど、withnewsは朝日新聞社が運営しているから、インドにいるハイデラバード支局の駐在員が現地で取材しているんですよね。これもWebメディアにはできないやり方で話題になりました。

生田:すごいですよね。NHKが取材後記のようなルポルタージュをネットで発信している姿からは、「自分たちがやっていることを広く届けたい」という危機感も感じられました。

『[メタ事例]コミュニケーションの目的は情報伝達だけではない』のスクリーンショット

健常者エミュレータ事例集 現実世界のためにより

恐山:私の2本目の記事は『[メタ事例]コミュニケーションの目的は情報伝達だけではない』(健常者エミュレータ事例集 現実世界のために)。コミュニケーションに困りごとがある人のための攻略サイトで、Wikipediaみたいな情報の集積地となっています。

当事者が経験した成功談とか失敗談が5W1H形式で淡々とまとめられているんですけど、「Tinderで相手が求める以上の説明をしてはいけない」「人間に興味があるふりをしたほうがよい」とか元も子もない言い方なんですよね。

対話の様子

黒木:まるで婚活コンサルタントみたいですね。

恐山:そう。同僚との付き合い方とかのレベルから、コミュニケーションを分析して解析しています。自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠陥・多動性障害(ADHD)の方にも有益だし、そうでない人にとっても「コミュニケーションがいかに高度な空中戦なのか」という実感が得られるのではないでしょうか。

杉本:事例がすごいですよね。読んでいると、この人たちの堅持というか、「本心からやろうとしているのではなく、あくまでエミュレーションなんだぞ」という思いも感じられます。

何がお前をここまで書かせる? ネットに発露する匿名の名文たち

『花札における「菊に盃」とかいう壊れ性能KYクソカード』のスクリーンショット

はてな匿名ダイアリーより

杉本:私は毎年、「ネットでしか読めない文章」を選考基準にしていて、3本目は匿名の文章が読める「はてな匿名ダイアリー」から選んでいるんです。今回は『花札における「菊に盃」とかいう壊れ性能KYクソカード』を選びました。

花札の環境を壊すくらいめちゃくちゃ強いカードがあるという内容で、「こんな暴れ方をするカードだ」というのを、「壊れ性能KYクソカード」「アル中くそカード」「酩酊した泥酔酒ヤクザ」「環境破壊害悪カード」…とあらゆる言葉で表現しているんですよね。

毎年思うけど、何がお前をここまで書かせたんだ? と、そのモチベーションが気になります。この手の文章ってどうやって文体を獲得するのか興味があるんですけど、わからない。ただ「この人は文章が素晴らしくうまい」ってことだけはわかります。

黒木:うまい書き手が野生にいるんですね。

恐山:隣の同僚かもしれませんよ。

そうかもしれないな…と思う一言を発する恐山さん

杉本:前の推し記事イベントでライターの古賀及子さんが「カズオイシグロが書いてるのかもよ」って言ってましたよね。花札って歴史が長いから「菊に盃のカードは強すぎ」と思った人は他にもいると思うんです。でも、こういう形でアウトプットした人はいたのかな。どんなコンテンツもそうだけど、「その人がいなかったら世に出ていないコンテンツ」って尊いんですよ。それが2023年も読めてよかったな。

生田:「KYくそカード」はなかなか書けないですよね。

恐山:ここまで罵倒を繰り返していると、署名記事ではできないですよね。普段の人格と共存できないから。

『「ジェンダー平等」全国1位は、2年連続でまさかの鳥取県庁 秘密は元知事が30年前に始めた“種まき”にあった』のスクリーンショット

47NEWSより

生田:私の3本目は、共同通信の山口恵さんが書いた『「ジェンダー平等」全国1位は、2年連続でまさかの鳥取県庁 秘密は元知事が30年前に始めた“種まき”にあった』(47NEWS)です。

共同通信ってニュース記事がメインだから、このような長文は珍しいですよね。都道府県版ジェンダーギャップ指数の行政分野で鳥取県が2年連続1位だった背景を探る記事で、元知事の片山善博さんが30年前からほそぼそと取り組んできたことが書かれています。

ジェンダーギャップ指数って、「日本は世界でこれだけ低かった」と批判的な文脈で話題になることが多いけど、私は物事には批判と同じくらいポジティブな賞賛もあったほうがいいと思っているんです。そういう意味で話題になってほしいと感じた記事でした。

杉本:文末に「共同通信のジェンダー関連報道は、ツイッターアカウントで随時、紹介しています」と書かれているから、会社として追っているテーマなんでしょうね。記事の内容も、「必殺技なんてないよ。30年間積み上げてきたからたどり着けたんだよ」と書いてある。素晴らしい取り組みだけど大絶賛するわけでもなく、筆致の押さえ方のバランスが取れた上手な文章でしたね。

『花の代わりに貼るカイロをたくさん吊るして「おれのチームラボ」を作る』のスクリーンショット

デイリーポータルZより

恐山:私の3本目は大北栄人さんが書いた『花の代わりに貼るカイロをたくさん吊るして「おれのチームラボ」を作る』(デイリーポータルZ)です。デジタルコンテンツを制作するチームラボに、鏡の部屋で花が無限に広がる作品があるんですけど、それを再現している記事です。

個人的な話なんですけど、昔デイリーポータルZで書いていた時に、「現代アートでやってる感じを真似したい」とネタ出ししたことがあるんです。けど、「揶揄するような内容にならないか」とやんわりたしなめられて、記事にはならなかった。大北さんの記事を読んで、「自分がやりたかったのはこれか」と気持ちが成仏しましたね。

黒木:あの時に会えなかった記事に再会できたんですね。

杉本:大北さんはコントの舞台をやっている方だからか、タイトルも天才的ですよね。『ミロが好きすぎて追いミロする国マレーシアいいぞ』『ある。ペンネの量全然わからん問題ある』とか、とんでもないタイトルを投下してきます。

恐山:このタイトルでは出せないですよね。大北さんは「ただやる」ができる貴重なライターさんだと思います。

よかった記事は惜しまず発信してほしい

広告汚染の話で盛り上がる登壇者と司会者

後編では『2023年のウェブメディアの個人的トピック』というお題でトークを展開。特に『ネットの広告汚染』について盛り上がった

黒木:1人3本ずつ記事を紹介し終えました! 今年もたくさんの記事が出てきましたね。最後に一言ずつ感想をお聞かせいただけますでしょうか。

杉本:読者の皆さんには、「良い!」と思った記事について軽ーい気持ちで書き込んでほしいですね。私は読み手であると同時に作る側でもあるんですが、やっぱり批判的な言葉って心に刺さるんです。読者の「褒め」をもっと出してもらえると、ライターの原動力になるし、媒体が続く力になると思います。よろしくお願いします。

生田:私が編集長を務めるCINRAもオモコロもねとらぼも無料で読める媒体ですが、無料で記事を読み続けられる裏側には、媒体を続けるための大変さもあります。広告との関係の難しさについても日々考えているなかで、こうしてウェブメディアで一緒に頑張っているみなさんとお話ができてとても励まされましたし、楽しかったです。

恐山:Webメディアって本当にか弱い存在で、エネルギー源は広告に頼らざるをえないんですよね。今年はTwitterがXになりました。検索のアルゴリズムが変わり、これを機にXから離れた方もいて、どれだけ記事の拡散で「Twitter」に頼っていったかを再確認させられました。面白い記事があったら、持ちうるすべてのSNSでぜひ「良かった」と書いてほしい。そうすればエゴサで何とかたどり着けると思います。

登壇者と、配信を支えたノオトスタッフ一同

登壇者と、配信を支えたノオトスタッフ一同

イベントの後編では、Webメディアの広告収入の在り方や読者の書籍への回帰、「BuzzFeed News」の閉鎖などが話題に。Webメディアの収入源については、デイリーポータルZの「はげます会」の料金プランの増加や「週刊文春」の「寄付プラン」開始など、2023年だけでも大きな変化がありました。ネット記事と読者の関係性に、今後変化が起きるのかもしれません。

それでは「インターネット愛してる!」の思いを胸に、2024年もたくさんの記事を読んで、また年末にお目にかかりましょう。

(文:ゆきどっぐ、編集:阿部夏美・黒木貴啓/ノオト)

登壇者が選んだ推し記事

●杉本吏
まったく同じものを食べ比べる(デイリーポータルZ/林雄司)
「亡き妻の写真」をAIで生成していることへのご意見について回答します(テクノエッジ/松尾公也)
花札における「菊に盃」とかいう壊れ性能KYクソカード(はてな匿名ダイアリー)

●生田綾
母の仮面が苦しいあなたへ 「自分」は今もそこにいる(朝日新聞デジタル/金原ひとみ)
「スティーブ・ジョブズ1.0」の真実(NHK取材ノート/佐伯健太郎)
「ジェンダー平等」全国1位は、2年連続でまさかの鳥取県庁 秘密は元知事が30年前に始めた“種まき”にあった(47NEWS/山口恵)

●ダ・ヴィンチ・恐山
【特から®キャンペーン】『特から®史上最高難易度の謎』を作った天才と解いた天才、その思考を読み解く | ほほえみごはん-冷凍で食を豊かに(ほほえみごはん/ニチレイフーズ)
[メタ事例]コミュニケーションの目的は情報伝達だけではない(健常者エミュレータ事例集 現実世界のために)
花の代わりに貼るカイロをたくさん吊るして「おれのチームラボ」を作る(デイリーポータルZ/大北栄人)

配信で紹介しきれなかった推し記事

●杉本吏
カタクチイワシ、悪くないですよ。(はてな匿名ダイアリー)
校正なんて賎業だろ(はてな匿名ダイアリー)
キッチンシンクを皿用スポンジで洗うのが汚いという感情の成立と国鉄型特急の不便な手洗い場の関係について(はてな匿名ダイアリー)
多摩川に埋まる遊具「孤独なライオン」の発掘調査に立ち会った【完結編】(デイリーポータルZ/ほり)
ルメールさんの「自信あります」について考察してみた(note/中毒じゃない象さん)
貸せ、日焼け止めの塗り直しってのはこうやるんだ(めんどくさいけどメイクしたい/つむり)
世間のスニーカーブームがいきなり終わってしまったのですが(note/伊藤聡)
「回復のコミュニティ」に必要とされるもの――周回遅れのアディクション治療(OHTABOOKSTAND/松本俊彦×横道誠)
誰でも書ける『Web記事』の作り方|取材・インタビュー・撮影編(ジモコロ/バーグハンバーグバーグ編集部)
『オモコロを校正する』の校正ルールを校閲する(はてな匿名ダイアリー)
ダイヤモンドにかかった魔法が解ける日。天然ダイヤの終焉?(note/nayadia)
能町みね子の「あんたは青森のいいところばかり見ている」(第10回) (まるごと青森/能町みね子)
『ダイの大冒険』『仮面ライダーW』三条陸が語る、「ヒーローの条件」とは?──どんなにカッコよくても、「頑張れ!」と思えなければ好きにはなれない(電ファミニコゲーマー)

●生田綾
プロ野球阪神が18年ぶりにリーグ優勝した夜、道頓堀で起きた「アレ」、どないして撮ったん? 担当カメラマンに聞きました(共同通信・大阪支社note/松嵜未来)
『広告』文化特集号での広報室長判断による一部表現の削除について(雑誌『広告』note/小野直紀)
peco自身への同情論に心境を吐露「ryuchellにお願いされて一緒にいるわけではない(AERA.dot/吉崎洋夫)

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